バナー広告の進化

オンライン広告の領域は、常にインターネットにおけるテクノロジーとスケーラビリティの進化の最先端を担ってきました。ウェブサイト上にハードコーディングされたバナー広告スペースを販売していた初期段階から、現在のインターネットコンテンツの絶大な規模と複雑さと、それに伴う広告収益化チャンスの増大に比例し、テクノロジーの活用形態もますます進化/深化しています。

当初、媒体社/アドネットワークは売りにくい(ノンプレミアムと呼ばれる)広告在庫を管理/パッケージ化して販売することにフォーカスしていました。また、広告主と代理店は次にこういったコンテンツの手作業による最適化にフォーカスしました。ですが、それは広告クリエイティブに対しする配信サイトを出来て週ペースで変更する、といった方法に限られていたため、テストのための大きな予算に加え、結果判断から手動最適化による改善までに長い時間がかかるプロセスでした。

2004年RightMediaは、媒体社、アドネットワーク、代理店、広告主のすべてが「売れ残り」やノンプレミアムと呼ばれる広告在庫を売買/管理できるプラットフォーム、つまり世界初となるアドエクスチェンジを立ち上げました。広告主と代理店(デマンドサイド)は、ターゲティング属性と広告パフォーマンスの条件を設定することができ、媒体社とアドネットワーク(サプライサイド)は、価格とイールドの条件を設定することができます。この結果、広告と広告枠の複雑なマーケットプレイスは、双方にとって最適な成果をあげるべくRightMediaの収益管理テクノロジーを使用してマッチングされます。少額のテスト用予算は必要となりますが、アルゴリズムによって徐々に収益増加を実現し、この工程を自動化することによって従来の手作業の最適化アプローチと比較してパフォーマンスが劇的に向上しました。この成功を目にし、大手のオンライン広告企業が次々にこの新しいメディア取引手法に乗り換え始めました。RightMediaは2007年にYahooに買収され、続く2008年にはGoogleがDoubleClickアドエクスチェンジを買収、マーケット全体が何らかの形でこのトレンドに続いています。

マーケットプレイス利用して、アルゴリズムの判断に基づき売買を最適化するというこの広告取引手法へのシフトは、オンライン広告領域に新たに莫大なビジネスモデル/ビジネスチャンスを生み出しました。現在、世界にはSSP(Supply Side Platform)、DSP(Demand Side Platform)、ATD(Agency Trading Desk)、デマンドとサプライの両サイドを併せたアドエクスチェンジ、そしてアドネットワークモデルのほか、オーディエンス、DMP(Data Management Platform)と呼ばれるソリューション等が存在します。これらのソリューションはそれぞれのビジネスに特有の、ゴールやアプローチ、パートナーシップ、アルゴリズム要件を持っています。

こうした流れの中で最も重要なのは、恐らく2009年に始まったRTB(Real Time Bidding)と呼ばれる、広告を1インプレッション毎に自動取引/自動判断で売買する手法へ進化していったことです。RTBでは、媒体社と広告主にとって最良の可能性を持つマッチングを競り合います。広告表示される予定の全てのインプレッションは、サプライサイドによってオークションにかけられます。続いてこの広告インプレッションが持つターゲティング属性、パフォーマンス、最低価格条件等が複数のデマンドサイドプラットフォームに送られます。デマンドサイドのプレイヤーはそれぞれアルゴリズム等を駆使し、広告インプレッションのポテンシャル、ユーザーマッチング、価格パフォーマンス(eCPM、CTR、CPA)等の収益目的を達成できるか否かを評価/審査します。オークションのホストであるSSPまたはエクスチェンジは、独自のアルゴリズムによりそれぞれの入札を審査し、入札の勝者を選定し、広告が表示される仕組みです。

これら一連のプロセスが全て数ミリ秒単位で、かつそれが一日何百億回という単位で行われるという、驚異的な規模の複雑で高速なデータ処理/確率モデル/演算判断が必要要件となっています。

こうしたシステムとアルゴリズムを構築しているのが私たちIPONWEBなのです。